ムフタール通りの市場
 

「テロリスト対策下のパリ

 私が丁度いまパリの街頭風景を描いている場所は、パリの下町といわれる辺りで、印刷工場も近くにあり、ブルーカラー系の人たちもたくさん住み、地下鉄入口のある並木大通りなど、夕方はアラブ系の男たちが、いっぱい夕涼みに出てきて、ガヤガヤ集まって飲物の缶を片手に話込んで賑わう一帯ですから、家内から「用心しなさいよ、巻き込まれないように」と注意されながら、折角近くまで出掛けたので、近頃の日暮れの夕刻八時三十分まで、いつものように絵を描きましたが、殆ど人気が無かったのでした。みんな同じようにテレビに齧りついていたのでしょう。

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